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「ツィゴイネルワイゼン」 鈴木清順監督作品 [映画]

 バイオリンを習っていた者にとって、一つの憧れ
だったのがこの曲である。ちなみにそれがしは、
最後の最後にこれを習得した。でも、今日はその
曲の話ではない。鈴木清順監督作品の映画のこ
とである。


 登場するのは二人の紳士…一人は師範学校の
独逸語教授、もう一人はその元同僚で風来坊…
らしい。教授「青地」の方は藤田敏八さん、風来坊
「中砂」の役は原田芳雄さんが演じた。この二人に
絡むのが、美貌の芸者、大谷直子さん。これがまた、
一人二役で、ややこしい。そして教師の妻が大楠道
代さん。怪しい三角・四角関係が繰り広げられる。


 そして、ストーリーが全く読めない。青地と中砂は、
旅先で芸者小稲(大谷直子さん)と懇意になる。そ
の後、中砂が妻を迎えたと聞き、青地は中砂の家
を訪ねる。すると小稲とそっくりな奥さん、園(大谷
直子さん二役)が現れる。園は娘を一人産んだ後、
悪性の風邪で死ぬ。すると中砂は乳母と称して後
妻を迎える。それが何と小稲。そっくりな二人が互
いを嫉妬する。

無題.png

 ストーリーの途中には、盲目の旅芸人3人が絡む。
 そして、それぞれの妻との四角関係が疑われる
場面もある。原田芳雄演じる風来坊中砂は旅先で
薬物(シンナー)中毒となり、あい果てる。彼の死後、
青地の家に大谷直子さん演じる中砂の妻が、いろ
いろな忘れ物を取りに来る。鎌倉の切り通しの道を
歩いてくる彼女はこの世の者かどうか怪しい雰囲気
である。


 そして難しいドイツ語の本の題名をすらすらと言い、
それを青地に探させる。最後には、サラサーテの言
葉の録音されているツィゴイネルワイゼンのレコード
を返して欲しい、という。青地は借りた覚えが無かっ
たが、彼の妻が中砂から借りて持っていた。青地は
中砂の家に返しに行くが、ついには彼自身が生死の
境すら怪しいという不思議な場面になり、終わる。


 目の前にあるのは三途の川の渡し場?異様な場
面だった。頭の中が混乱状態に陥ったが、いまだに
強い印象が残っているのだから、やはり名作なのだ
ろう。この作品で、原田芳雄さんが日本アカデミー賞
にノミネートすらされなかったのは何とも不思議であ
る。原田さんらしさ満点の「怪演」であった。

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