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またまた迷惑な新聞記事 [怒!]

T京新聞というのは、何だか変な新聞社であ
る。世田谷区の庁舎問題にやけに関わってき
て、今回も建築家がシンポジウムをした件を
1面で取り上げている。しかも、このシンポ
ジウムはモダニズム建築物の歴史的価値を紹
介するのが目的であったはずなのに、ここで
は「庁舎保存へシンポ」という見出しを付け
ているのである。さも、建築家たちが保存の
ために声を上げた、というトーンだが、いろ
いろな意見が出されて必ずしも保存一辺倒で
はなかったと聞く。

なぜ、それを保存に傾けようとするのか。報
道機関としての公平性に疑問を感じる。モダ
ニズム建築を保存せよ、と言っても、この建
物は遺跡や博物館ではない。自治体の庁舎で
ある。現に不特定多数の人が日々出入りする
建物である。ひとたび大地震に遭えば、使用
不可能になることは想像に難くない。
にもかかわらず、建築として価値がある、と
の主張から残すべきである、というのはいか
がなものか。

先の東日本大震災の際、第1庁舎は40数枚
のガラスが割れ、第2庁舎では、地下が車庫
で空洞であることから、大きな揺れが来るた
びに職員たちの多くが庁舎の外に飛び出すと
いう騒ぎになっていた。あまりの混乱ぶりに、
横を通過した清掃車に乗っていた収集職員は、
「庁舎が倒壊しつつあるのではないか」と報
告したくらいだ。震度5弱でその体たらくで
ある。まして、首都直下型地震などが来たら
とても耐えられまい。たとえ倒壊しなくても、
中の物が取り出せないとか、電気が通じない
とか、そういった事態になったら、災害対策
本部としても機能しない。

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建築の様式とか、美しさとか、そういうもの
が「人命」よりも重いとはとうてい思えない。
今回の新聞記事も、まともな市民からみれば
ますます建て替えを遅らせる要因になりかね
ない、正に「迷惑な記事」であると言って置
こう。

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