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もう一人の「天才」 [歴史]

今、石原慎太郎さんの書いた「天才」という
本がベストセラーになっているそうだ。かつ
ての政敵である田中角栄を描いたこの本。田
中角栄という政治家を再評価するきっかけを
作ったといえる。まあ、今の自民党の小粒な
政治家たちに比べれば、真に器が大きく、か
つ政策も気宇壮大であった。こういう人物が
居た時代は、まさに日本の「伸び盛り」だっ
たと言える。

さて、本日はもう一人の天才について書きた
い。それは、江戸時代の政治家であった「田
沼意次」である。田中の角さんも金権政治家
などと呼ばれたが、今の歴史書の中では田沼
意次も賄賂政治などという、あまりにも酷い
評価を受けている。しかし、この人物も只者
ではない。八代将軍吉宗の小姓として江戸に
入り、立身出世を続け、側用人から老中にま
で登りつめた。

殖産興業に勤め、印旛沼などを干拓して、耕
作地を作り出そうとした。しかし、残念なが
ら飢饉などが続いて政策の効果が十分発揮で
きなかった。印旛沼干拓も失敗に終わる。
では、何が天才なのか?経済政策を調べたと
ころ、今どきの財政出動を行う手法ではなく、
規制緩和と業者間競争によって景気を浮揚さ
せるという手法だったことがわかった。また、
印旛沼干拓の工法を調査したところ、松の杭
を使っていたことが分かった。木材だと思っ
て馬鹿にしてはいけない。松の杭は松脂の効
果で、コンクリートが50年程度しか持たな
いのに対し、100年以上の耐久性を持つの
である。もし、飢饉や地震、火山噴火などの
天変地異が無く、息子の田沼意知(若年寄)
が旗本の佐野某に暗殺されることが無かった
ら、田中角栄と同じような評価を受けていた
のではないかと思う。

そういう目で見ると、池波正太郎さんの小説
「剣客商売」に出てくる田沼老中はまさに知
恵と実行力のある人物として描かれている。
いつの時代でも、そういう政治家が常に中枢
に居て欲しいものでありまする。


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